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    「加藤合同国際特許事務所~知財とびうめ便り~」 Vol.79

   発信日:2021年 7月 1日   発信者:加藤合同国際特許事務所
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◇ 目 次 ◇

1.弁理士コラム
  ◆新型コロナウイルスに関する話題(その2)

2.知財ニュース
  ◆セルフレジ特許の無効審判審決取消訴訟で、ユニクロ敗訴

3.連載 知財講座
  ◆第79回:商標「不使用取消審判」

4.事務所からのお知らせ(イベント含む)
  ◆オンライン経営相談サービス「会長相談室」開設のお知らせ

5.所員ほのぼの日記
  ◆行ったつもりで 金沢

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 1.弁理士コラム
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◆新型コロナウイルスに関する話題(その2)

 丁度一年前に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について書かせて頂きました。当時の世界全体の感染者は8百万人、死者は45万人に届く勢いであると記しています。今では世界の感染者数は、1億8千万人を超え、死者は4百万人に達しました。

 日本でも、これまでに首都圏を中心に3回にわたる緊急事態宣言が出され、感染者は80万人、死者は1万5千人に迫っています。これまで、検査体制、医療体制の再構築が叫ばれ続けてきたのはご承知の通りです。

 ところで、前回、COVID-19収束の鍵を握るのがワクチンや治療薬の開発であり、米中は国の威信をかけてワクチンの開発競争をしていること、また、我が国もオリンピックを東京で開催するにはワクチンの開発が鍵となること、更に、ワクチンが開発されたとしても、ワクチン開発に遅れた国は、成功した国からワクチンを輸入する必要があり、外交的に不利な妥協を強いられる可能性があることに触れました。

 これらの懸念が、幸か不幸か、顕在化した一年になりました。ワクチンは、今や戦略物資と位置付けられ、中国は自国が発信源であることを忘れたかのように発展途上国へのワクチン外交を展開し、日本は独自での開発は儘ならず米国や英国からの輸入ワクチンに頼るという、国の安全保障、危機管理の脆弱さを浮き彫りにする事態となりました。

 この4月初旬にブラジルに永住した友人から、家族全員に中国製ワクチンを接種したとのメールを貰いました。私の母(後期高齢者)が、第1回に接種をしたのが5月初旬であることからしても、オリンピックを控えているにも拘わらず、日本のワクチンへの対応の遅さは尋常ではありません。

 さて、前回、ワクチンや治療薬の開発に絡み知的財産(医薬品特許)の問題が再燃してきていることにも触れました。
 米国のバイデン政権は、この5月に製薬メーカーの保有するCOVID-19ワクチンに関する特許権の一部放棄を支持すること表明しましたが、独国は反対、仏国は賛成と足並みは揃っていないのが現状です。独国の言い分は、ワクチン製造を妨げているのは生産能力と高い品質水準の問題であり、特許ではないということのようです。

 新型コロナウイルスは、先進国、発展途上国を問わず世界中に被害が広がっており、世界的大流行(パンデミック)対応に必要な薬品の自由な流通を可能にすることが不可欠です。

 かかる人類の脅威に対し、独占排他権という知的財産の保護と公益との関係をどうすべきか、新たな課題が突き付けられています。

   弁理士 久保山 隆 


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 2.知財ニュース
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◆セルフレジ特許の無効審判審決取消訴訟で、ユニクロ敗訴

 NHKは5月20日、「ユニクロ」の店舗にある無人のセルフレジに使われている、商品のタグの情報を読み取る技術に関する特許(第6469758号)をめぐって、この特許権者である大阪市のIT企業「アスタリスク社」と、ユニクロを展開する「ファーストリテイリング社」との間で争った無効審判審決取消訴訟で、知的財産高等裁判所(知財高裁)が、アスタリスク社の特許は有効であるとする判決を言い渡したと報道しました。

 アスタリスク社は、この技術を発明し特許を取得しましたが、ファーストリテイリング社は「これまでの技術と同じで発明は簡単である」と主張して特許庁に無効審判を請求し、特許庁は、一部特許が無効であるとの審決を下していました。アスタリスク社が、特許庁の無効審決を不服として知財高裁に提訴したのが、この無効審判審決取消訴訟です。

 知財高裁の森義之裁判長は判決で、「上向きに開いた状態でタグのデータを読み取る技術の発明は簡単にはできない」と指摘し、特許庁の審決とは逆に、アスタリスク社の特許は有効であると判断しました。

 ファーストリテイリング社は、この判決を不服として6月2日に最高裁判所へ上告受理の申立てを行っています。


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 3.連載 知財講座
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◆第79回:商標「不使用取消審判」

 「不使用取消審判」とは、簡単にご説明しますと、継続して3年以上使用していない登録商標については、第三者の請求により登録を取り消すことができるという制度です。

 従って、自身により登録した商標は、使用することが重要です。
 また、他人により登録されている商標と同一又は類似の商標をどうしても使いたい、登録させたいというときには、不使用取消審判の請求が選択肢の一つになります。

 このとき、不使用取消審判を請求する相手が企業で、その企業が倒産している場合はどうなるのでしょうか。

 商標権者である企業が倒産しており、当然ながら登録商標を使用していないはずなので、不使用取消審判を請求すれば勝てると思われがちです。

 確かに、登録商標は使用されていない可能性が高いです。しかし特許庁では、審判請求事件について審判請求書副本が被請求人に届かない場合、職権で商業登記簿の調査を行い、その結果被請求人の破産等が確認されたときには、請求人に対して被請求人の清算人を選任してもらう旨の通知をしています。

 つまり、不使用取消審判を請求する側に対処を求め、対処ができなければ、請求は却下されることになります。これは、かなりハードルが高い要求です。
 今後、取り扱いが変わるかも知れませんが、現状ではこのような運用になっています。

 このように、登録商標を保有する企業が倒産した場合、仮に商標が使用されていなかったとしても、不使用取消審判を請求することが困難であるため、その倒産した会社の言わば幽霊のような権利が(権利期間満了によって)消滅するまで、登録商標と同一又は類似の商標を登録させることができないことになります。

 そのため、私どもは、不使用取消審判の請求を検討する場合、まずは登記簿等により相手企業の存在について確認するようにしています。


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 4.事務所からのお知らせ
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◆オンライン経営相談サービス「会長相談室」開設のお知らせ

 この度、中小企業経営者の方へ向けたオンライン経営相談サービス「会長相談室」を開設いたしました。
 ご相談をご希望の方は、以下のアドレスにアクセスのうえ、ページ下部に設置しております「オンライン相談申し込みフォーム」よりお申込みください。

 URL:https://www.kato-pat.jp/lp/

 皆様のお申込みを心よりお待ちしております。


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 5.所員ほのぼの日記
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◆行ったつもりで 金沢

 なかなか落ち着かない新型コロナの影響で、旅行など遠出ができない状況が続いており、日々自宅で過ごす時間が多くなりました。
 せめて行ったつもりで、、ということで、私が1年ほど前まで4年半住んでいた金沢についてご紹介します。

 金沢は、寒がりの私にはつらい気候でした。福岡に比べ、平均気温が5度以上低いことが多く、夏の夜は比較的過ごしやすく、冬は冷たい雨や雪が続きます。
 金沢の有名な言い伝えで、「弁当忘れても傘忘れるな」とあるほど、年間を通して雨の日が多く、1日のうちに晴れ、雨、曇り、ときには雷とお天気が変わりやすい地域です。そして、日本海側特有のどんより曇り空。日照時間の少なさは全国でもワースト10に入るほどです。

 3年前には20年に一度と言われる大雪が降り、車が白い大きなお饅頭と化しました。最初は初めて見る景色に、写真などを撮り喜んでいたものの、雪の舞う中、半日かけての雪下ろしは過酷で、次の日は体中筋肉痛。良かったことは、子供が大喜びして遊べること、大人が雪下ろしで運動不足にはならないことです。

 あと、寒い地域ならではの蓄熱暖房というものがあり、これが感動的な暖かさでした!
 電気ストーブと原理は同じだそうですが、金属を加えた蓄熱レンガに電熱線のヒーターで熱を加え、深夜電力で電気代の安い深夜に熱を作り、その熱で一日中(日中は電気不使用)使える暖房器具です。私の体感ではエアコンとは雲泥の差で、エアコンの様に細かい温度調整はできませんが、暑いと窓を開けるくらいの暖かさでした。
 購入し、引越す際にも持ち回りたいと切望しましたが、100kg以上/台のため床の補強工事が必要であり、ハードルが高く、泣く泣く諦めました。

 雪で大変な思い出が印象に強く、冬のことばかり書いてしまいましたが、日本三名園の兼六園は圧巻で、四季折々の風景が楽しめ、桜満開のライトアップや、真っ白の中に佇む雪釣りの景色はとても素敵で、近くに住んでいながら何度も足を運びましたし、21世紀美術館なども、観光客の多さも納得の、大好きな場所となりました。

 また、子供の小学校では、地域に纏わる授業として、加賀友禅染や水引作り、茶道、和菓子創作などがありました。

 加賀友禅染は、四方30cm程の布に、下絵から彩色、洗いまで、近所の職人さん達が教えてくださり、数か月かけて作成する本格的なもので、出来上がりは額に入れて街の美術館に一時飾られ、子供のお気に入りとなって、今も家に飾ってあります。

 茶道は、お点前(全て暗記!)を練習した後、子供たち主催のお茶会に親が招待され、親が子供に習いながらお菓子とお茶をいただくもので、子供達の案でお花も活けてあり、お互い少し緊張し、背筋の伸びる思いでした。

 和菓子は、近所の和菓子屋さんから練り切り作りを教わるものですが、綺麗に出来上がったお菓子を、必死で崩れない様に持ち帰った時の笑顔が忘れられません。

 このように、小学校では、行事の多くが近隣の方からの強い連携を基に行われていました。登下校含め、こんなにも手厚く見守り助けていただくことは、金沢の方の温かい人柄なのだと思います。

 行ったつもりで、、というよりは、住んだつもりで、、になってしまいましたが、これから、コロナが落ち着き、自由に旅行ができる様になることを祈り、機会があればぜひ金沢に。


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